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犬と猫の整形外科病院 院長の赤木です。
今回は高齢の猫さんの中足骨骨折の症例をご紹介致します。
12歳(推定)の猫さんが高いところからジャンプした際に、家電と一緒に落下してしまって受傷したとの主訴で近くの動物病院様からのご紹介で当院に来院されました。
レントゲン検査で中足骨と呼ばれる、足の甲の骨が4本中3本折れていました。
過去にはKワイヤーと呼ばれる、細い針金で固定する方法もあったのですが、これは固定強度も弱く、結局はかなり長期間、安静や包帯で管理するため、オーナー様と患者様の生活の質が低下する事から、私は今はプレート固定を第一選択にしています。
少し斜めにレントゲンを撮影して、全ての固定が問題なくできている事を確認して、終了しました。猫の中足骨は比較的太い事が多く、4.5ミリ程度の骨幅があるので、問題なくプレート固定が可能でした。
少し高齢ということもあって手術時間を短縮したかったので、体重があまりかからない第5趾(小指)だけはKワイヤーという細い針金で固定しました。
手術時間は60分程度でした。
麻酔も問題なく覚醒した事から、手術当日の夕方に退院しました。
術後1ヵ月検診が終了し、大きな問題がないことが確認できました。
骨自体はまだ癒合していないので、高所への移動やジャンプは継続して注意して頂きつつ、平面の運動制限は解除しました。
高齢の犬猫の骨折はどうしても骨がくっつくまでに時間がかかるため、もう少し経過を注意深く追っていきます。次回は2ヵ月後の術後3か月検診を予定しています。そこで問題なければ終了です。
中足骨骨折や中手骨骨折は手術の適応判断が難しく、さら身体の小さい症例では治療方法にも悩むことが多い骨折です。しっかりした治療ができれば、早期から機能回復が期待できますので、もしお悩みのオーナー様や症例がいましたら、いつでもお気軽にご相談ください。