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11月30日はセミナー講師のお仕事を頂いたため、お休みを頂きました。
今回は、”小型犬の肩関節固定術”というテーマでセミナーのお話を頂き、講演と実習のインストラクターをさせて頂きました。
肩関節の脱臼や不安定症は、小型犬の多い日本では非常に遭遇することの多い疾患の一つです。根治させる方法はなく、基本的には投薬や安静、サポーターで”上手く付き合っていく”ことになる疾患です。人では人工関節があるようです。
どうして肩関節が緩んで不安定になるのかについては、原因がはっきりしていません。
肩関節固定術は、肩関節の不安定症が長期間続いて軟骨が重度に損傷したケース、先天性に肩関節が上手く形成されていないケース、その他の疾患で麻酔リスクが高いので麻酔を何度もかけにくいケースが適応になります。いずれも内科管理で上手く経過しないということが前提になります。
完全に肩関節を固定するので、軟骨損傷や脱臼から生じる痛みがなくなります。
人間では肩関節を固定すると、ボールも投げられなくなるし、電球の取り替えもできなくなって、生活での制限は非常に強いですが、犬猫では腕を前に出して歩くということができれば、日常生活には大きな支障がありません。固定をすることで痛みがなくなって、生活の質が上がることの方がはるかにメリットが大きいので、私は症状が強い犬猫では固定を強くお勧めしています。
少し前置きが長くなりましたが、今回はこの手技の習得を目指す先生方を対象にしたセミナーを開催するということで、お声がけを頂いて講師の末席として参加させて頂きました。
講師は私の大学院時代の指導教授の原教授
私のメンターの藤田教授 大変お世話になった先生お二方に挟まれて恐縮する1日でした。
朝10時から13時までみっちりと講義、13時から16時まで実習を行って終了しました。セミナーには今までお世話になっていた先生方をはじめ、北海道から福岡まで日本全国の動物病院の先生方が参加されていました。
参加される先生方は、休日返上で自身の勉強のために上京されてセミナーに参加されているので、少しでもお役に立てる話や技術を伝えることができればと思っています。私のような若輩者にも非常に丁寧に熱心に質問して下さる先生方に囲まれて、久しぶりに整形外科の話が沢山できて、とても充実した1日になりました。
セミナー講師として講演や実習をさせていただくのは、これからしばらくはないので非常に感慨深いセミナーになりました。